新・新・からすの掲示板

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9月に読んだ5冊 - みなみ

2019/10/09 (Wed) 20:32:27

『燃えあがる緑の木・第1部「救い主」が殴られるまで』大江健三郎(新潮文庫)
 物語の舞台は、おなじみ作者の故郷である四国の森の村。
この地の伝承を受け継いできたオーバー(祖母)から、救い主とみなされたギー兄さんは、病人を癒すハンドパワーの持ち主として信者を増やしていく一方、村人たちからは偽者として糾弾されていく。
その一部始終を、両性具有で、いまは女性として生きていくことを選んだサッチャンの目を通して描いていく。
 Eテレ『100de名著』でとりあげられたので、再版された三分冊の文庫を店頭で見つけて買いました。
発表当時、著者の「最後の小説」と喧伝されていたのをおぼえていますが、手にとらなかったのは、大江作品に対する関心が、すでに薄れていたのでしょう。
腰巻には「小説家は文学で{魂の問題}に立ち向かう」とあります。
ふだんミステリやSFばかり読みふけっているものですから、わたしはこの第1部だけで、疲労困憊です。最後まで読み通せるのか、あまり自信ありません。

『わが母なるロージー』ピエール・ルメートル(文春文庫)
 パリ市内で爆発事件が発生する。犯人を名乗る青年が警察に出頭してきて、あと6つの爆弾を仕掛けたと告白する。
爆弾はどこか、そして青年の秘められた狙いとは?
 身長145センチのカミーユ・ヴェルーヴェン警部シリーズの新作。3部作完結後に書かれた、1作限りのカンバックだという。
200ページほどの中篇なので、わたしでも1時間半ほどで読了。巻を措くあたわずの一気読み、面白かったです。

『幽霊島』平井呈一怪談翻訳集成(創元推理文庫)
 平井呈一という人は、日本文学史的には、永井荷風に私淑しながら、偽筆を売りさばいたために、師の逆鱗にふれて、文壇の表舞台から抹殺されてしまった文人となるだろう。
荷風には『来訪者』という後味の悪いモデル小説がある。
 その一方で、平井にはラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の個人全訳の仕事があり、英米の怪奇小説のすぐれた紹介者でもあった。
本書にまとめられた訳業に、中高校時代、洗礼をうけて以来、コワイ話にとりつかれてしまいました。
その訳文は、江戸前ともいうべき風格があって、多くの耳慣れない日本語に出会える役得がある。
「香箱をつくる」って意味、知ってますか? 辞書をひいてビックリしました。

Re: 9月に読んだ5冊 - マリー

2019/10/10 (Thu) 19:56:17

 こんばんは。みなみさん。
「香箱をつくる」知りませんでした。先ず、香箱自体身近にありませんです。広辞苑第2版8刷で1行のみの記述。<日葡>あります。こんな辞書もありましたんですね。イエズス会士との歴史にあらためて思いをはせる次第です。
 わたし的には「雪うさぎのかたち」として定着しておりました。雪の積もった日、猫ではなくうさぎを作っておりました。おめめは千両や万両で作りました。

 

Re: 9月に読んだ5冊 - からす

2019/10/10 (Thu) 21:22:56

 「香箱をつくる」は、誰の何だったかは忘れたんですが、以前読んでた小説に頻繁に出てきて、「なんのこと?」と辞書を引いて、「なるほど」と納得した覚えがあります。

 最近知った“難しい言葉”は、「送りまぜ」。
 漢字表記は「送南風」で、初秋に吹く南風、だそうです。

マリーさん&からすさんへ - みなみ

2019/10/11 (Fri) 05:05:35

この言葉を、にわか知ったかぶりしたくて、どなたかと一緒のときに、足をおりたたんで座っているネコに出会ったらなあ!と願っています。
「ほら、香箱をつくってるよ」と、さりげなく!言いたいのですが、まだ機会にめぐまれていません。

あの翻訳アンソロジーには、あと二つ、三つほど「へえーっ」と驚いた言葉が出てたはずですが、もう思い出せません。

昨晩のうちに、ベランダの植木鉢を屋内に入れました。
台風19号、お互いに用心しましょう!

Re: 9月に読んだ5冊 - マリー

2019/10/11 (Fri) 08:38:36

叱られちゃうけど。
「ほら、ますく堂さんが香箱をつくってるよ」
なんてね。

関東上陸、心配ですね。

Re: 9月に読んだ5冊 - 小牧

2019/10/11 (Fri) 21:06:38

 香箱を作る、

 町田康の『猫にかまけて』というエッセイにこの言葉が頻出していたような。

 ほかでは見たことない。

 私は、しかし、勝手に、猫が両手(前足か)を交互にもみもみするように抑える動作のことかと思い込んでいて、今回辞書引いて、というか、ネットで調べて、びっくりしました。

 平井呈一の訳文は好きだなあ。

 私、1958年刊の平井呈一訳の『消えたエリザベス』を持っています。

 というか、それを含む東京創元社の世界推理小説全集全80巻揃いで持ってます。

小牧さんへ - みなみ

2019/10/12 (Sat) 06:04:08

『世界推理小説全集』は、いまでも古本市でよく見かけます。
先日の四天王寺さんでも、並んでいました。

新書をひとまわり大きくした、持ちやすいサイズで、外箱の背の部分が、いろんな色ある、アレですよね。

でも、並んでいるのは、せいぜい5、6冊ぐらいのバラ売りです。
80巻揃いなんて、見たことないです。スゴイ!

のこりの2冊です - みなみ

2019/10/12 (Sat) 16:54:46

『成城だより』大岡昇平(中公文庫)
 昭和54年(1979年)から翌年10月にいたる、作家70歳の日記に、大磯ですごした昭和32年11月から翌年4月までの「作家の日記」を併録。明治42年(1909年)生まれだから、後者は48歳~49歳にあたる。
 わたしが読んだのは、ミステリの『事件』ぐらい。タイトルだけ知っている『レイテ戦記』『俘虜記』から、戦記モノの書き手だと思いこんでいました。
だから、読書の範囲は、太平洋戦争にまつわる資料が中心かと思いきや、じつに幅広い、知的探求心の持ち主でした。
続刊の2冊も読んでみます。

『じゃりン子チエ①』はるき悦巳(双葉文庫)
 あきもせずテレビアニメの再放送を、くりかえし見てたなあ! でも、原作マンガは今回が初めてです。アニメは、原作に忠実につくられていたんですね。
 チエちゃんは中山千夏、てつは西川のりお、ほかのキャラクターだって、声優さんの名前は知らなくても、アタマの中で、こだましていました。
すべての登場人物が愛しいです。とりわけ、お気に入りは、ヒラメちゃんと、お好み焼き屋のおやじ、そしてネコの小鉄です。
 じつは『成城だより』にでてくるんですよ。昭和55年8月9日(土)。大岡翁、幼稚園児のお孫さんの愛読書を横取り?して、喜々として読みふけっています。
 今回の文庫化は、「大阪の本屋と問屋が選んだほんまに読んでほしい本」に選ばれたから。販売収益の一部は、大阪の子供たちに本を寄贈するのに充てられるそうです。

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