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10月に読んだのは4冊きり。 - みなみ

2018/11/05 (Mon) 19:05:28

『目まいのする散歩』武田泰淳(中公文庫)
エッセイとも小説ともつかぬ散歩記。
近所の明治神宮への散歩であっても、ふと目にした光景や人物から、思考は時空をこえていく。
それは過去の旅行の思い出であったり、もう会えなくなってしまった人物の記憶だったりする。
すでに作家は百合子夫人の付き添いなしでは、外出がおぼつかないカラダになっていた。
この文集も、口述筆記によるものらしい。
ならば、このつつましくも自由かっ達な散歩記は、夫唱婦随の旅行記とも読めるのではないか。

『黄泥街』残雪 近藤直子訳(白水Uブックス)
黄泥街の狭い通りには、小さなみすぼらしい家がひしめきあっている。
空からは真っ黒な灰がひっきりなしに降ってきて、街は灰まみれのゴミの山でうずくまっている。
食べ物はくさり、便器はあふれ返っている。動物たちは次々と気が狂ってしまう。
そんな見捨てられたような街に「王子光」が姿をあらわすや、次々と面妖な騒動が引き起こされる。
残雪は1953年生まれの、中国の女性作家。
これまでカフカばりの短篇をいくつか読んできたが、この処女長編のポテンシャルの高さは尋常じゃない。
徹頭徹尾、わからないことだらけだ。登場人物の会話はかみあわず、だいたい「王子光」が、人物なのか現象なのか、わからない。
各国で翻訳が出ているようだが、どこの評論家たちもお手上げ状態らしい。訳者の長文の解説を読んでも、わからない。
にもかかわらず、この小説がナニかを描いているのは間違いないし、とにかく全編異様な迫真性にみちみちている。
ただひとつハッキリ言えるのは、黄泥街は世界中で一番暮らしたくない街であるということだ。

2カ月仕様のカレンダーなので、残り1枚。 - みなみ

2018/11/06 (Tue) 22:11:06

『やぶれかぶれ青春期 大阪万博奮闘記』小松左京(新潮文庫

前者は軍国主義真っただ中の旧制中学・高校時代、そして後者は1970年の大阪万博の舞台裏をふりかえった回想録。
どちらも面白いが、時節柄、後者のほうに「そうだったのか!」と驚かされました。
もともと小松を中心にした京都の学者グループが、純粋な知的好奇心から、万博の歴史を研究しはじめた矢先に、たまたま国家の万博プロジェクトがもちあがり、なかばナシ崩し的に参画させられるハメになってしまったらしい。
な~んも考えていない国の役人相手に、小松の頑張りは、竹林の千里丘を切り拓いていったブルドーザーに匹敵する。
いつ爆発するかわからない岡本太郎も、さんざんなだめすかしたことだろう。
ちなみに、わたしは小学校からの「社会勉強」も含めて、大阪万博には7回か、8回ほど行きました。
サインをもらいまくった各国パビリオンのコンパニオンのお姉さんたちも、いまでは、すっかりおばあちゃんでしょう。
2025年、もし2度めの大阪万博の招致が決まったとしたら、小松のような人物は現れるのでしょうか?

『緋の堕胎』戸川昌子(ちくま文庫)
朝刊で作者の訃報にせっしたのは。、もう2年前。
肩書はたしかシャンソン歌手になっていたはずだが、もちろん乱歩賞受賞のミステリ作家の前歴についてもふれられていた。
たぶん1~2冊は読んだはずだが、まったく記憶になかったので、この短編傑作選には、ちょっとビックリしました。
「こんな設定や展開ありえない!」と言いたくなるほどのブッ飛びぶり。ほとんど奇想ミステリではないか!
さらに官能シーンの大盤振る舞い。
こんなミステリを女性が書いていたのだから、流行作家だったのもうなずける。
他社からも復刊が予定されているようなので、楽しみです。

10月の本 - からす

2018/11/02 (Fri) 19:27:23

『ルーザーズ ~日本初の週刊青年漫画誌の誕生~①』吉本浩二(双葉社)
『親なるもの断崖(上)』曽根富美子(小学館)
『食品工場の中の人たち』各務葉月(エンターブレイン)

『不格好な朝の馬』井上荒野(講談社文庫)
『ズームーデイズ』井上荒野(小学館文庫)
『幸せであるように』一色伸幸(幻冬舎文庫)
『濡れた魚(上・下)』フォルカー・クッチャー/酒寄進一(創元推理文庫)
『天国旅行』三浦しをん(新潮文庫)
『冷蔵庫を抱きしめて』荻原浩(新潮文庫)
『ガッツン!』伊集院静(双葉文庫)
『冬の花びら』伊集院静(文春文庫)
『その妻』明野照葉(中公文庫)
『邪馬台国と黄泉の森』長崎尚志(新潮文庫)
『漂流怪人・きだみのる』嵐山光三郎(小学館文庫)

10月の - 小牧

2018/10/31 (Wed) 23:23:32

湖の男 アーナルデュル・インドリダソン 柳沢由実子 東京創元社
やみくも 翻訳家、穴に落ちる 鴻巣友季子 筑摩書房
屍人荘の殺人 今村昌弘 東京創元社
渇きと偽り ジェイン・ハーパー 青木創 ハヤカワ文庫
雪盲 ラグナル・ヨナソン 吉田薫 小学館文庫
孕むことば 鴻巣友季子 マガジンハウス
汝、鉤十字を背負いて頂きを奪え(上) ハリー・ファージング 島本友恵 竹書房文庫
汝、鉤十字を背負いて頂きを奪え(下) ハリー・ファージング 島本友恵 竹書房文庫
砂漠で溺れるわけにはいかない ドン・ウィンズロウ 東江一紀 創元推理文庫
冷たい家 JP・ディレイニー 唐木田みゆき ポケミス

9月の(京都逍遥) - 小牧

2018/09/30 (Sun) 18:21:30

マリーンワン ジェームス・W・ヒューストン 村田薫 小学館文庫
声 アーナルデュル・インドリダソン 柳沢由実子 創元推理文庫
紳士の黙約 ドン・ウィンズロウ 中山宥 角川文庫
緑衣の女 アーナルデュル・インドリダソン 柳沢由実子 東京創元社
暗殺者の潜入(上) マーク・グリーニー 伏見威蕃 ハヤカワ文庫
暗殺者の潜入(下) マーク・グリーニー 伏見威蕃 ハヤカワ文庫
山の本No104 2018年秋 白山書房

Re: 9月の(京都逍遥) - 小牧

2018/09/30 (Sun) 18:23:30

海岸の女たち トーヴェ・アルステルダール 久山葉子 創元推理文庫

Re: 9月の(京都逍遥) - 小牧

2018/09/30 (Sun) 18:30:24

 連休は雨という天気予報だったので、山はあきらめて、京都に行くことにした。

 車でも新幹線でもなく、在来線で名古屋、大垣、米原で乗り換え、京都へ。電車で、最初は本を読んでいたが、途中から、スマホでスパイダソリティアをやり出した。これをやっていると、あっといわない間に京都に着くのだ。

 出町座へ。『カメラを止めるな!』という話題の映画を見るのだ。1時間前に着いたにもかかわらず、席は埋まっていて、立ち見になるという。ま、いいよ。カフェと書店も一緒になっているところなので、昼間からビールとミンチカツサンドで待ち時間をつぶす。
 
 映画は、前半、緊張のしっぱなしで、立ち見だったこともあったのか、気分悪くなって、トイレに駆け込んだ。映画に戻ったら、後半で、なるほど、こういう映画だったのか。

 出町座を出て、すぐ近くの古書店2軒を覘く。中公文庫の『K12峰遠征記』をゲット。

 鴨川河畔をぶらぶら歩いて、丸太町まで下り、熊野神社方面へ。この途中にも古書店があり、入ったが、通路まで本で溢れかえっていて、目当ての翻訳ミステリ文庫棚に近づけない。私も残念だが、店にとっても残念ではないか。

 熊野神社交差点近くにジャズカフェ、YAMATOYAがあるのだ。5時ころだったが、カウンターにすわり、メニューを見て、ジャックダニエルを頼んでしまう。アル中です。フランス人のなんとかさんのCDがかかっていて、先週ここでライブをしたという。カウンターの中に年輩のマスターがいて、カウンターの奥の席で、奥さん?が、新聞のクロスワードパズルをやっていた。背後の棚にLPレコードがぎっしり並んでいる。こんなにレコードがあって、次にかけるレコードをどうして選ぶのですか、と訊いたら、基本的にお客さんがあきないよう、ピアノの次はサックス、その次は○○と、朝には決めておく、ということだった。雑誌『サライ』の10月号があったので手に取ると、クロスワードパズルが半分くらい埋められていた。残りを埋めた。珍しく全部埋められた。なかなか充実した京都行だった。

Re: 9月の(京都逍遥) - 小牧

2018/10/02 (Tue) 22:33:07

10時間37分40秒。
スパイダソリティアをクリアするのにかかった時間の最長記録。これまで8時間が最長だったが、それを、この9月の2回目の連休に更新した。アホです。アホとしか言いようがない。アホだからこんなに時間がかかった、というんじゃないよ。こんなことやってるのがアホなんだよ。はい。

Re: 9月の(京都逍遥) - 小牧

2018/10/28 (Sun) 23:08:01

『海岸の女たち』北アフリカからジブラルタル海峡を越えて難民がポルトガルにやってくる。そういう社会問題を背景に、ニューヨークの女性がパリで行方不明になったジャーナリストの夫を探す物語。これが、北欧のミステリ。面白かった。

『マリーンワン』大統領の専用ヘリコプター、マリーンワン。エアフォースワンのヘリコプター版。これが、大統領を乗せて墜落する。その謎を追う話。最後はとんでもなく話が広がって、なんじゃこりゃ、な小説。

『声』引き込まれた。インドリダソンは『湿地』を読んだがその後、シリーズを追っかけてなかった。ところがところが、これ、いいぞ。ホテルのドアマンがサンタクロースの恰好をして殺される事件を捜査する警察小説。

『紳士の黙約』西海岸のサーファーが探偵役の話。

『緑衣の女』エーレンデュルのシリーズ、2作目。『声』の前。DVの話。エーレンデュルと娘の関係もすごいなあ。柳沢由実子さんは、ヘニング・マンケル亡き後、インドリダソンがいて、よかったね。

『暗殺者の潜入』前作で飛躍したグレイマンは、今度は潜入するのだ。シリア。ジャーナリスト安田純平さんが3年間つかまっていたあのシリアへ。

『山の本』いつものですね。

ジュリーのドタキャン騒ぎで思うのは、勇造さんのことです。私が行くライブといえば豊田勇造さんなんだけど、いつも満員です。ただし、会場はこじんまりしてます。

今日は尼! - 麗華

2018/10/23 (Tue) 06:45:35

一昨日「南海大阪狭山市駅」行ってきましたよ~
埼玉のあとすぐのジュリーです。
こんなとこにジュリー来るんかいな?!って思うようなちっちゃい駅で、びっくり!初めて降り立ちました。

マスコミよーさん来てはりましたよ。
ジュリーの入待ちしてはったけど、ジュリーはそこから入ってきませんでぇ。

今回のことで怒っていいのはチケットを買ったファンだけ。
埼玉に行ったファンの人は誰も怒ってない。騒がずわめかず、「ジュリーの体調不良じゃないなら良かった」と静かに、ほんとに静かに、みな粛々と帰っていったと行かれた方から聞きました。

歌うのがプロではない。
プロのパフォーマンスが出来ないなら歌わない。
あの日のジュリーは歌える精神状態では状態ではなかった。だからファンの前にでなかった。それはファンなら全員理解できる。

たとえお客さんが一人になっても一人の前で歌う、ということは絶対しない。
大きい会場でいっぱいのお客さんの前で歌いたい。
それが叶わないなら潔くやめる。

ライブでは毎回同じことをいうてはります。ぶれてません。

今回は10/6土曜15:00からの横浜アリーナで公演があってのすぐあと。
私も埼玉スーパーアリーナと迷ったけど、土曜の横アリに行った。日帰りできるし。
埼玉は平日17:00開演。もともとツアー始まった時から、ファンの間でも不安視されてました。
埼アリが心配、人集まるんかな…無理ちゃう…?
イベンターが悪い。無理だったらちゃんと謝れ!約束守れ!

とにかく狭山でジュリーからの直接の話を聞けて良かったです。
号泣しました…
やっぱりジュリーはすごい!歌うまい!かっこいい!かわいい!おもしろい!

飛ぶようにチケット売れてるけど、今日のあましんアルカイックはもう完売してますよ。
ファンがふえるのは嬉しいけど、お顔をさらしてしまったジュリーはお散歩できなくなるなあ…やっと気づかれなくなったのに、それだけが気の毒。

今日もはじけるでぇーー!!
全国津津浦浦行ってきて、今日の尼で19回目です(*^^*)
来年の武道館3連チャンファイナルまで頑張ります!
私よりジュリーすごくないですか?70ですよ、半年で66公演って!!

Re: 今日は尼! - からす

2018/10/24 (Wed) 19:18:52

 そーかー……

 ジュリーが、アマにいたんですね。「すぐそこ」やんか。

 先日テレビのニュースでジュリーを見て、ただ今のジュリーは「日本のプレスリー」かな? と思ったのでした。

9月の本 - からす

2018/10/03 (Wed) 19:40:27

『メタモルフォーゼの縁側 ①』鶴谷香央理(角川書店)

『冥暗』ギリアン・フリン/中谷友紀子・訳(小学館文庫)
『大阪ラビリンス』有栖川有栖・編(新潮文庫)
『海峡』『春雷 -海峡 少年篇-』『岬へ -海峡 青春篇-』伊集院静(新潮文庫)
『松ヶ枝町サーガ』芦原すなお(文春文庫)
『飢餓旅行』阿久悠(講談社文庫)
『プリズン・ガール』有村朋美(新潮文庫)

タイガース日本一 - からす

2018/10/07 (Sun) 14:27:55

 阪神タイガース、悲願の日本一達成! なのだ。
 昨日、ジャイアンツを下して、見事日本一を成し遂げたのだった。

 ファーム選手権だけどね。
 https://www.nikkansports.com/baseball/news/201810060000605.html

 一軍のほうも、打線をなんとかしたってください。
 猫の目ではなく、「不動のクリーンナップ」が見たいぞ。

Re: 9月の本 - からす

2018/10/21 (Sun) 08:03:24

 『メタモルフォーゼの~』は、書店の店頭で「ジャケ買い」、「腐女子の女子高生と未亡人の老人」という組み合わせに惹かれたのでした。
 1巻完結だと思ったのが、買ってから続きものだったことに気づいて「しまった」と思ったのだが、2巻が待ち遠しいぞ。

で、活字篇 - からす

2018/10/21 (Sun) 09:44:48

 『冥暗』、邦題がなかなか秀逸だ、と読み終わってから思った。原題は「Dark Places」なのだけど。
 主人公の女性の「クズ」っぷりが、いいです。

 『大阪ラビリンス』は、有栖川有栖・編による、「大阪」をテーマとした短編のオムニバス。
 「乗り合い」の作家は、宇野浩二、横溝正史、織田作之助、小松左京、堀晃、田辺聖子、有明夏夫、岩阪恵子、芦辺拓、柴崎友香、と新旧取り混ぜ、年代もジャンルもごっちゃごちゃ。
 堀晃の『梅田地下オデッセイ』が、久々に再読できました。
 源氏鶏太のサラリーマンものも、欲しかったな。

 『海峡』三部作、近頃ちょいと伊集院静にはまってました。
 自伝的要素の強い、一人の少年…って作者自身が投影されてんだが…の幼年期から少年期、そして青年期に至る成長物語。
 五木寛之の『青春の門』よりも、どっちかつーと井上靖『しろばんば』に近かったと思う。
 ただ、最初の「幼年編」で、周防地方が舞台なのに、会話がすべて標準語なのが、ちょっと不自然に思えた。
 後の二編では、「方言混じりの標準語」になってんのだが。

 『松ヶ枝町サーガ』は、その『海峡』の解説で、北上次郎が「少年小説の傑作」のひとつとして挙げていたので、読んでみたのだが…
 いまいち「ぴん」とこなかったです。はい。

 『飢餓旅行』もまた、「少年小説」の流れで、以前に映画ではみていたのを思い出して、原作小説を読んでみた。
 終戦直後の神戸の街や別府航路の汽船の描写が、映画以上にリアルだった。

 『プリズンガール』、久々のノンフィクション。
 なんだかワケのわからないうちに「有罪」になって、アメリカの刑務所に入ることになった、当時はまだ女子大生だった日本人女性の手記。
 知らなかったけど、TVドラマにも、なってたんですね。
 でも、日本のテレビドラマで、この空気を伝えるのは、絶対に無理、だと思った。

9月は11冊も読みました。 - みなみ

2018/10/14 (Sun) 10:19:52

パソコン夏バテの原因は、LANケーブルの断線でした。
どうやらケーブルに触れたひょうしに、つながったり、切れたりしていたようです。
おかげで、9月は本をたくさん読めました。

かたやタイガースは、まさかの最下位。
しかも金本監督は、電撃解任されちゃいました。
ちなみに今季の甲子園球場での観戦成績は、1勝5敗でした、嗚呼っ!
しばらくは、反省と悔恨の日々です。
ま、ドラフトの頃には、立ち直ってるでしょう、早っ!
では、気を取り直して、読書メモです。

『キルプの軍団』大江健三郎(岩波文庫)
高校生の僕は、刑事の叔父さんとディケンズの『骨董屋』を原文で読みすすめていくうちに、そのストーリーをなぞるような事件に巻き込まれていく。
8月に読んだ『江藤淳と大江健三郎』で「知られざる名作」にあげられていた作品。
たしかに、わかりやすいが、う~ん?
人間の悪とか罪、それらをのりこえるための「赦し」、さらに「癒し」がテーマらしいのは察せられますが、わたしには切実に迫ってこなかったです。

ボーっと読んでんじゃねーよ(byチコちゃん) - みなみ

2018/10/14 (Sun) 19:28:12

『漂流怪人・きだみのる』嵐山光三郎(小学館文庫)
きだみのるの名前は『気違い部落周游紀行』(読んでません)の著者とのみ知っていましたが、まさかこんな規格外のオヤジだったとは!
そして愛娘が、三好京三の直木賞受賞作『子育てごっこ』のモデルだったことにもビックリ。オススメします。

『狂い咲け、フリーダム』栗原康編(ちくま文庫)
大杉栄、伊藤野枝、辻潤、中浜哲、朴烈、金子文子、石川三四郎らから、現代の田中美津、だめ連までのアナキズム・アンソロジー。
それぞれの評論や檄文はわずかなので、隔靴掻痒の感はまぬかれないが、テンションの高さは伝わってくる。
むしろ戯作文めいた編者の人物紹介が、いささかはしゃぎすぎだが、楽しい。
大学時代にハマった平岡正明の文章も収められており、久しぶりに再読しても、何を言ってるのか、よーわかりません。当時は、そのわからなさがカッコ良く見えたんですがねえ。

『編集者冥利の生活』古山高麗雄(中公文庫)
戦争体験にもとづく「プレオー8の夜明け」で芥川賞を受賞した作家の自伝的エッセイと交友録。
古本市でもエッセイ集は、あまり見かけないので、うれしい1冊でした。
編集者時代に出会ったのが江藤淳。小谷野敦の評伝では、なんて嫌なヤツなんだろう!と感じたが、古山の回想録では、別人のような貌を見せている。
他人の印象なんて、立場変わればさまざま、と再認識しました。

『西成山王ホテル』黒岩重吾(ちくま文庫)
タイトルどおり、大阪のディープタウン、西成を舞台にした、男女の愛憎劇が5つ。
既刊の『飛田ホテル』と同じくオダサクのDNAを感じました。この系統の作品なら、もっと読みたいです。

もう室内でも靴下なしではつらくなりました。 - みなみ

2018/10/16 (Tue) 08:39:38

『燃える平原』ファン・ルルフォ(岩波文庫)
『ペドロ・パラモ』で知られるラテン・アメリカ作家の短編集。
エアコンの効いている部屋で読んでいても、メキシコの荒涼とした大地が、目の前にたちあがってくるよう。日本の猛暑とはちがう、乾ききった熱風が、どの短篇からも吹いてきます。
リアリズムの筆致なのに、幻想的な景色が見えました。

『魔法の庭・空を見上げる部族』カルヴィーノ(岩波文庫)
 カルヴィーノが専業作家になる前、編集者時代に発表した寓話の色濃い初期短編集。
パルチザン戦争や反ファシズムの抵抗運動がモチーフなのはわかるけど、イタリアの現代史に疎い身には、手の届かないはがゆさがある。
少年時代をえがいた作品にはスンナリと入っていけました。

『泥棒はスプーンを数える』ローレンス・ブロック(集英社文庫)
 大好きな泥棒探偵バーニイ・ローデンバー・シリーズの最新作が、ハヤカワから集英社に移籍して登場しました。
ナゾめいた紳士からの依頼は作家の生原稿。これは難なくクリアしたが、続く注文は、資産家のペントハウスにある1本のスプーン。とうてい盗み出すのは無理とおもわれたが。
謎解きミステリとしては小味ですが、女友達キャロリンとの軽妙なやりとりが楽しくて楽しくて。
残念ながら、本作でシリーズ打ち止めになる模様。
ローレンス・ブロック、もう80歳なんだ!

金木犀はもう散りました。 - みなみ

2018/10/17 (Wed) 14:23:50

『抱擁 この世でいちばん冴えたやりかた』辻原登(小学館文庫)
「抱擁」はヘンリー・ジェイムスの怪奇小説の古典「ねじの回転」を、2・26事件直後の日本に舞台をうつした中編。ラスト1行にゾクリとさせられる。
「この世~」は、盲目の落語家・遊木亭円木シリーズのスピンオフ2作をふくむ短編集(つまり単行本2冊をカップリングしてお得)。
官能にほんろうされる男女をえがいた、濃密な作品ぞろいで、いずれも予想のつかない展開で飽きさせない。オススメします。

『未来のイヴ』ヴィリエ・ド・リラダン(光文社古典新訳文庫) 
 発明王エジソンは、魅惑的な肉体と美貌ながら、かぎりなく軽薄な恋人に絶望した青年貴族のために、完璧な人工美女をつくることを約束する。
アンドロイドSFの祖として、書名だけは知っていました。
800ページもある大冊で、青年貴族の口からくりだされるのは、女性蔑視としか思えない恨み、つらみばかり。
そこまで悪しざまに言わなくてもイイのに。
作者リラダンは、よぽど女性に、痛い目にあったのだろうか?

『竜のグリオールに絵を描いた男』ルーシャス・シェパード(竹書房文庫)
 かつて魔法使いとの戦いに敗れた竜グリオールは、なんと全長6千フィート(1830メートル)。
さながら死火山のごとく動かなくなったグリオールの全身には、いつしか草木が生い茂り、その周囲には人々が住むようになった。
グリオールの全身に毒入り絵具で巨大な絵をえがいて絶命させようとする画家。グリオールの体内に迷いこんだ女が、目の当たりにした異世界。グリオールが生み出した宝石がひきおこした殺人事件の法廷劇。さらに竜の化身と恋におちるラブ・ストーリーも。
すべてのSF&ファンタジー好きにオススメします。

きだみのる、黒岩重吾 - からす

2018/10/21 (Sun) 07:54:41

 きだみのるは、『気違い部落周游紀行』と『ドブネズミ漂流記』を、その昔に読んだことがあります。
 嵐山光三郎のその本、知りませんでした。読んでみたいですね。

 ちなみに『ドブネズミ』では、「高校浪人中」という息子と一緒に旅することが多かったようです。
 昭和30年代当時、国内の自動車旅行が「命がけ」の冒険だった様子が、よくわかります。

 『西成山王ホテル』も昭和30年代が色濃く反映されてましたっけ。
 これも再読したくなりました。

8月の - 小牧

2018/09/06 (Thu) 23:55:28

地中の記憶 ローリー・ロイ 佐々田雅子 ポケミス
上を向いてアルコール 「元アル中」コラムニストの告白 小田嶋隆 ミシマ社
そしてミランダを殺す ピーター・スワンソン 務台夏子 創元推理文庫
友だちリクエストの返事が来ない午後 小田嶋隆 太田出版
燃える部屋(上) マイクル・コナリー 古沢嘉通 講談社文庫
燃える部屋(下) マイクル・コナリー 古沢嘉通 講談社文庫
邪魔者 ミシェル・アダムズ 中谷友紀子 小学館文庫
月下の狙撃者 ウィリアム・K・クルーガー 野口百合子 文春文庫

Re: 8月の - 小牧

2018/09/24 (Mon) 08:01:47

なぜ山へ行くのか。山が来ないからだ。

また燕岳に行った。合戦小屋あたりから雨だった。雨の中、燕山荘に着いた。部屋、というか、ここで寝てくださいな、というスペース(一畳に2人寝るのだ)に案内される途中の階段で、案内人の女の子に、小野寺昭さんが落ちたのはこの階段ですか、と訊いたら、そういうことは言えません、と言われた。なるほど、従業員教育が徹底している。ちょっと前のニュースで、俳優の小野寺昭が燕山荘の階段から落ちて、ヘリコプターで運ばれた、ということがあったのだ。夜中、晴れていて、山小屋の前で流星群を眺めた。30個くらい見た。燕岳山頂からの帰り、ハイマツ帯の道で、ライチョウの声は聞こえたが、姿は見えなかった。そのかわり、下山して、車でちょっと走ったところで、カモシカを見た。生きているカモシカを見たのは初めてだ。

『地中の記憶』「15歳と半年を迎える深夜、長年反目してきた隣家の土地に忍び込んだアニー。しかしそこで死体を見つけてしまう。その事件は、町の忌まわしい過去を掘り起こし、アニーと家族の生活まで脅かすが……。20世紀半ばのアメリカ南部を舞台にした巧緻で濃密なミステリ」だった。読むのがしんどかった。最後まで読めば感動するのかと思いながら読んだが、うーん。

『上を向いてアコール』私は、スパイダソリティア中毒でもあるが、アルコール依存症の気もあり、というか、ほぼアル中で、会社と車のおかげで、なんとか飲まない時間を設けられているという感じなので、興味深く読んだ。アル中は治らない、そうです。まあ、治らないだろな。タイトルが素敵だ。

『そしてミランダを殺す』妻を殺そうとしていたら…意外な展開に驚かされる、ということを言っていいのかな。

『友だちリクエストの返事が来ない午後』『上を向いてアルコール』の著者のエッセイ。まあ、理屈っぽいが、言ってることはよくわかる。

『燃える部屋』マイクル・コナリー、ボッシュシリーズ、出るとやはり読んでしまう。

『邪魔者』なんで邪魔者扱いされるのか、なかなか明かされず、いらいらさせられるが、それを知りたいがために、読んでしまう。この本、登場人物の表が、4ページ目にあって、つまり、本の左側のページにあって、これって、画期的じゃん。文庫本を読むとき、ふつう、書皮、カバーをかけて読むので、登場人物表はたいてい隠れてしまうのだが、この本のように、左側のページにしてくれると、カバーを開けばすぐ左に表があるので、とても便利です。小学館文庫、えらい。栞に登場人物表がある講談社文庫もえらいが、古本で買うと付いていないのです。

『月下の狙撃者』「同じ女を愛した二人の男、一人は彼女を狙う暗殺者、一人は彼女を護衛するシークレットサービス。 護衛官はストリーとキッドとして育ち、暗殺者は近親相姦の落とし子だった。 映画[ボディーガード]ふうの前半からアメリカ政界の謀略が絡む波乱万丈の後半へと白熱する物語のなかで、二人の切なさが胸を打つ」という話。元保安官コークシリーズではない、単独の作品。こんな本が出ていたとは、ずっと知らなかった。『ジャッカルの日』っぽくもあって、面白かった。

Re: 8月の - 小牧

2018/09/24 (Mon) 21:38:17

 この本、登場人物の表が、4ページ目にあって、つまり、本の左側のページにあって、

↑ 4ページ目ではない、3ページ目ですね。

 もちろん、1・2ページの1枚はカバーの内側に収めるのですよ。

 ところが、そのあと出た小学館文庫の『マリーンワン』では登場人物表は右ページだった。小学館、その価値をわかってなかったのか?

今年の夏に読んだ本 - みなみ

2018/09/24 (Mon) 06:36:21

このところ毎週、日曜日の朝は、夙川河口の御前浜、香櫨園浜で、清掃をしています。
先日の台風21号でながれついたゴミで、砂浜は無惨な姿になっています。集めても集めても、ゴミは減りません。
なかには、大人が3人がかりでないと持ち上がらないコンテナ?もあり、あらためて、あの台風の猛威を思い知らされます。
たぶん、甲子園浜も同様だとおもいます。

で、パソコン、相変わらず故障中です。朝イチではつながるのですが、そのあとは、もう終日つながりません。
こうして、使っていても、いきなりプッと、途切れてしまいます。なので、タイトルだけ失礼いたします。

それでもCSシリーズ、あるんだろうなあ - みなみ

2018/09/24 (Mon) 06:53:47

7月に読んだ本
『MONKEY voi15』(スイッチ・パブリッシング)
『メランコリー幻想集 丘の上』豊島与志雄(彩流社)
『奪われた家 天国の扉 動物寓話集』コルタサル(光文社古典新訳文庫)
『探偵術教えます』パーシヴァル・ワイルド(ちくま文庫)
『はい、チーズ』カート・ヴォネガット(河出文庫)
『戦争小説集成』安岡章太郎(中公文庫)
『変身奇譚集成 谷崎潤一郎 怪異小品集』(平凡社ライブラリー)
『原民喜 死と愛と孤独の肖像』梯久美子(岩波新書)

8月に読んだ本
『忘れられた巨人』カズオ・イシグロ(ハヤカワepi文庫)
『空にあおぞら』佐伯一麦(中公文庫)
『闇市』マイク・モラスキー編(新潮文庫)
『人みな眠りて』カート・ヴォネガット(河出文庫)
『江藤淳と大江健三郎』小谷野敦(ちくま文庫)
『忍法相伝73』山田風太郎(戎光祥出版)
『文芸時評』川端康成(講談社文芸文庫)

オススメは、安岡章太郎、原民喜、佐伯一麦、そして『闇市』です。

そして8月 - からす

2018/09/03 (Mon) 22:04:21

『レッド 最終章 あさま山荘の10日間』山本直樹(講談社KCDX EVENING)

『夜の谷を行く』桐野夏生(文藝春秋)
『枯葉色グッドバイ』樋口有介(文春文庫)
『カイシャデイズ』山本幸久(文春文庫)
『カウントプラン』黒川博行(文春文庫)
『楽英(上・下)』黒川博行(幻冬舎文庫)
『脱・限界集落株式会社』黒野伸一(小学館文庫)
『こうふく あかの』西加奈子(小学館文庫)
『ふる』西加奈子(河出文庫)
『オケ老人』荒木源(小学館文庫)
『シャイン!』原宏一(集英社文庫)

Re: そして8月 - からす

2018/09/23 (Sun) 08:36:37

 ついに完結した『レッド』、最終章は、まるまる1巻「あさま山荘」。
 足かけ12年、全13巻。これは、平成漫画界最高傑作、と言ってもいい!
 そう言えば、先日通りかかったら、滋賀県石山駅前の「ばんど旅館」が、ついに取り壊されてなくなっていた。

 『レッド』最終章を読み終えた勢いで、桐野夏生『夜の谷を行く』を読んだのだった。
 連合赤軍事件での「山岳アジト」から逃亡し、逮捕、服役した女性の「その後」を描いた物語。
 実際の当事者に会って取材したわけではなく、主人公は、あくまで作者の「想像」で生み出された架空の人物なのだけど、桐野夏生の想像力は、ノンフィクション以上にリアルな人物像を炙り出してくれる。

 『枯葉色グッドバイ』、「ホームレスの探偵」という設定が異色でしたね。

 『カイシャデイズ』、同じ会社の人々が、一篇ごと主人公が入れ替わり、それぞれの視点で同じ「仕事」を進めていく。
 立場が変われば、優先順位も価値観も変わるから、絶対的な正解はないし、絶対的な善悪もまた、存在しないのだな。

 『カウント・プラン』は、短編集。
 これ、文庫の表紙が、切手貼って消印ついた「封筒」の態で、「583-0865」という郵便番号も付されているのだが、この番号は、おそらく黒川博行の自宅の郵便番号だと思う。

 『楽英』、著者得意の大阪府警の凸凹コンビのキャラクター。
 今回は、ついに悪の道に手を染めてしまうのだった。

 『限界集落株式会社』そうだったけど、その続編の『脱・~』もまた、信じられないほどの僥倖に恵まれて、あれよあれよと問題が解決するのだが、嫌味はなく、読後感は爽快です。

 西加奈子、『ふる』は、『こうふく みどりの』の緑ちゃんが、その後東京で就職した…と思えるような、大阪弁小説だった。
 なので、『こうふく あかの』もまた、当然大阪小説と思って読み始めたら、全然違っていて、こちらは「ガチ」のプロレス小説なのだった。

 『オケ老人!』は、『ちょんまげプリン』の荒木源・作。
 老人ばかりのアマオーケストラに、間違えて入団してしまった高校教師が主人公。
 彼が本来入団したかった同じ町の名門オーケストラとの確執…だけかと思ったら、話は大きく国際謀略にまで発展するのだった。

 『シャイン』は、前の『カイシャ・デイズ』と同じ手法で、同じ会社の中での出来事が、一章ごと主人公が入れ替わり、別視点から語られていく。
 「お仕事小説」の場合、この手法はとても有効ですね。


 

あ、そうそう - からす

2018/09/23 (Sun) 08:41:15

 小牧さん、『ロボット・イン・ザ・ガーデン』、「五歳児」との感想、わしも同じく思いました。

 ベルリン映画祭では、「映画にしたい小説」第一位に選ばれたとか。

 続編の『ロボット・イン・ザ・ハウス』も読んでみようかと、思っております。


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